恋人にしたくないタイプ

録画していた『緑の光線』(1985年/監督:エリック・ロメール)を観る。ひとりの女性のひと夏の体験を描いた日常ドラマです。
ギリシャ行きのバカンスを予定していたデルフィーヌ(マリー・リヴィエール)は、一緒にいくはずだった女友だちからドタキャンされ、途方にくれます。女友だちのひとりが誘ってくれてシェルブールに行っても孤独感がつきまとい、パリに帰ってきても心が晴れず、かつて恋人と行ったことのある山に行っても楽しくなれません。ピアリッツにでかけて海辺で独り旅のスウェーデン女性と知りあいますが、開放的すぎて尾いていけず、パリへ帰ろうとした駅で感じのよい青年と出会い……
題名の“緑の光線”とは、日没の際に一瞬見えると云われる緑の光のこと。それを見た者は幸せになると伝えられ、デルフィーヌは愛する男性と一緒にその光を見ることを夢みているんですな。ロメールの演出は奇をてらったところはなく、ごく自然に描いています。作為的なところがないんですよ。映画的セリフでなく、日常的会話で、主人公や周囲の人々の生活や性格を鮮やかに豊に浮かび上がらせています。主人公の性格が私の好みのじゃないこともあって、男にモテなくても納得、納得で~す。

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