海外ドラマから

録画したままだった『イエローストーン』シーズン2(全10回)を観了。現代のアメリカ西部を舞台にしたケヴィン・コスナー主演の現代西部劇ともいえる人間ドラマです。

ジョン・ダットン(ケヴィン・コスナー)は、イエローストーン公園に隣接するモンタナ州の大牧場主。シーズン1では、ジョンの土地の隣りに分譲住宅を造ろうとしているダン・ジェンキンスダニー・ヒューストン)との戦いと、ジョンの反対を押しきって司法長官選挙に臨むジョンの息子ジェイミー(ウェス・ベントリー)の話が中心でしたが、シーズン2はカジノ経営者のベック兄弟との対決。

司法長官選挙の出馬を辞めたジェイミーに怒ったサラ(ミカエラ・コンリン)が、ジョンの悪事を暴露する記事を載せようとしたことからジェイミーはサラを殺害。牧童頭のリップ(コール・ハウザー)が事故死に見せかけ、ジョンはジェイミーに牧場で一から出直すように命じます。

ジェンキンスは先住民居留地の首長レインウォーター(ギル・バーミンガム)と組んでカジノを作ろうとしており、マイク(ニール・マクドノー)とティール(テリー・セルピコ)のベック兄弟はジョンの牛を殺してジェンキンスの仕業に見せかけ、ジョンと組んでカジノ計画をつぶそうとしますがジョンはベック兄弟と組むのを拒否。怒ったベック兄弟はジョンにも牙をむきます。ベック兄弟はジェンキンスを殺し、ジョンの孫まで誘拐。ジョンは家畜組合会長の職権を使って逮捕状を出し、ベック兄弟を殺して孫を取り戻します。

政治的駆け引きはなく、暴力主体のシーズンで~す。

 

週に一度は西部劇

録画していたBSシネマの西部劇『黄色いリボン』(1949年/監督:ジョン・フォード)を再見。『アパッチ砦』『リオ・グランデの砦』と並ぶジョン・フォードの騎兵隊三部作のひとつです。

退役を数日後に控えたスターク砦守備隊のネイサン・ブリトル大尉(ジョン・ウェイン)は、オールシャド少佐(ジョージ・オブライエン)から砦に滞在していた少佐夫人(ミルドレッド・ナトウィック)とその姪オリビア(ジョーン・ドルー)を東部へ行く駅馬車中継地まで護衛するように命じられます。しかし、インディアンが蜂起しており、中継所は焼かれ、砦に帰還。大尉は最後の仕事として、酋長にあって交渉しますが、うまくゆかず、ひそかに部下たちと合流して夜襲、彼らの馬をスタンピードさせて荒野へ放ちます。馬をなくしたインディアンたちは戦いをやめ……

何十年ぶりかの再見ですが、数ある騎兵隊映画なかでも最高傑作だと私は思います。インディアン相手の壮烈な銃撃戦はありませんが、それが逆に新鮮です。銃撃戦なんか見飽きていますからね。モニュメントバレーの雄大な風景の中を騎兵隊が行進。映像の美しさと相俟って、それだけで私は満足、満足なのです。マクラグレンとウェインの男としての友情。ゲイばやりの最近の映画にウンザリしている私には、これこそ男の世界ね。抒情豊かなフォード西部劇に満喫できるものの、ラストの軍人精神讃歌のナレーションだけは気に入りません。それと、ウェインが砦に戻るハッピーエンドは、観客を歓ばせるために取ってつけた感じ。あのまま、夕陽の中を去って行った方が、余韻が残ったような気がしま~す。

 

何度も映像化されているが

録画していた『HOKUSAI』(2021年/監督:橋本一)を観る。江戸時代の天才絵師・葛飾北斎の人生を描いた伝記映画です。

幕府から目をつけられ、手入れにあったばかりの浮世絵版元の蔦屋重三郎阿部寛)は、貧乏長屋に住む絵師・北斎柳楽優弥)の絵を見て彼の才能を見抜きます。北斎は重三郎に紹介された喜多川歌麿玉木宏)や東洲斎写楽浦上晟周)に刺激を受け、才能を開花。“大波”の通称で知られる「神奈川沖浪裏」で独自の浮世絵世界の道を開き、人気絵師へと成長を遂げます。老年となった北斎田中泯)は、絶えず高みを目指して己の信じる道を歩み続けており……

青年期と老年期の二部構成で北斎の生き様を描いていますが、中途半端な感じ。北斎の生き様に共感する柳亭種彦永山瑛太)の死には、オイオイと言いたくなります。老年時代の田中泯はグッドなんですが、柳楽優弥もグッド。北斎の青年時代の資料は乏しく、青年時代に絞ってフィクションたっぷりに蔦屋重三郎との関係をもっと濃密に描いた方がよかったような気がしま~す。

 

続編なので

録画していた『サイレントヒル:リベレーション』(2012年/監督:マイケル・J・バセット)を観る。18歳になったシャロンが再びサイレントヒルで味わう恐怖を描いたサスペンスホラーです。

サイレントヒルで悪夢の体験をしてから10年、シャロンアデレイド・クレメンス)は父(ショーン・ビーン)と各地を転々とし、18歳の誕生日を間近に控えて田舎町の高校へ転校。幼い頃の忌まわしい記憶はなくしていましたが、今なお悪夢に悩まされています。そんなある日、父が突然姿を消し、シャロンは悪夢に導かれ、父を捜しに転校先で親しくなったヴィンセント(キット・ハリントン)と呪われた町サイレントヒルへ……

前作の最後でシャロンと母のローズがどうなったのか、わからなかったのですが、シャロンだけが記憶をなくして表世界に帰ってきたのね。前作で生き残っていたカルト宗教集団がシャロンを狙うという同じ展開。前作で世界観がわかっているため怖さを感じず、ハラハラ感もありませんでした。続編としての魅力な~し。

 

ゲーム原作続きで

録画していた『サイレントヒル』(2006年/監督:クリストフ・ガンズ)を観る。人気ゲームソフトを実写化したサスペンスホラーです。

ローズ(ラダ・ミッチェル)とクリストファー(ショーン・ビーン)の夫妻は、情緒不安定な9歳の養女シャロンジョデル・フェルランド)が“サイレントヒル”と口走るのを心配しています。ローズが調べるとサイレントヒルという町がバーモント州にあることが判明。娘の不調の原因を求め、ローズはシャロンを連れてサイレントヒルに向かいます。町は30年前の大火災で誰も近づかないゴーストタウン。途中で婦人警官のシビル(ローリー・ホールデン)に女児誘拐犯と間違われて追われ、事故を起こします。気がついてみるとシャロンは消えており、シビルはローズを連行しようとしますが、帰り道が消えており、二人は町の捜索を開始しますが……

これまた、原作のゲームは知りませんが、顔も両腕も持たず全身で吠える身体たち、頭部の代わりに金属製の三角体を戴く筋肉質の大男、顔面を腐敗した包帯で覆った看護婦たちはゲームの中にでてくる怪物のようで、しっかりした造形になっています。表世界から裏世界への行き来がどうなっているのか今イチよくわからなかったのですが、裏世界での恐怖演出は悪くありません。子役のジョデル・フェルランドは不気味感があってグッド。ゲームを知らなくても、それなりに楽しめま~す。

 

真田広之が出ていたので

録画していた『モータルコンバット』(2021年/監督:サイモン・マッコイド)を観る。世界的人気を誇る格闘ゲームを映画化したバトルアクションです。

連戦連敗の格闘家コール(ルイス・タン)が冷気を操る謎の戦士サブ・ゼロ(ジョー・タスリム)に襲われ、危ういところを特殊部隊のジャックス(メカッド・ブルックス)に救われます。ジャックスの言葉に従い、コールは女性戦士ソニア(ジェシカ・マクナミー)を訪問。コールには胸にドラゴンの痣があり、それは人間界と魔界が雌雄を決する“モータルコンバット”の戦いに選ばれた戦士の証明であることを知らされます。“モータルコンバット”の戦士を率いるライデン(浅野忠信)からコールは最強の忍者だったハサシ・ハンゾウ真田広之)の末裔であることを知りますが、最強忍者の血による秘めたる力が覚醒せず……

原作のゲームは知りませんが、年齢制限のあるゲームということは理解できました。真田広之は冒頭の忍者アクションシーンだけの特別出演かと思ったのですが、ラストでも地獄から蘇りアクション全開。“炎”対“冷気”の戦いね。ゲームが原作なので、ツッコミどころは多々あるのですが、真田広之がカッコよかったので、それでいいのだ。

 

引退する前に

録画していた『コズミック・シン』(2021年/監督:エドワード・ドレイク)を観る。遠い未来の宇宙空間での異星人との戦いを描いたブルース・ウィルス主演のSFアクションです。

2524年、地球から遠く離れた外惑星に異星人が襲来。異星人の敵対行動報告を受けた人類連合は、宇宙戦争の勃発に備え、“血の将軍”と呼ばれた悪名高き戦争の英雄フォード元将軍(ブルース・ウィルス)を緊急招集します。軍への復帰を条件に彼はライル将軍(フランク・グリロ)の精鋭部隊に合流しますが、既に異星人の猛攻がはじまり……

ブルース・ウィルス最後の作品かもしれないと思って観賞。これも、B級映画の客寄せパンダ化した作品。映像は500年後の世界には見えないし、異星人の造形も酷いです。人間に寄生する設定も何の捻りもなく、中途半端。ブルース・ウィルスのセリフが少ないのは失語症を考慮してのことでしょうなァ。「平和は先制攻撃の上に成り立つ」は、ロシアが歓びそうな言葉で~す。