劇場公開時に話題になり、昨年のアカデミー賞で渡辺謙が話題になった『ラストサムライ』(2003年/監督:エドワード・ズウィック)を観る。金を出してまで観ようとは思いませんが、テレビ(WOWOW)放送されたら、映画ファンとしては観ておかないとね。渡辺謙、真田広之、福本清三はカッコよく撮れていましたが、内容的には問題がありますねェ。自分たちが理解できる範囲で、大作映画に仕上げるハリウッド流エンターテイメントにすぎません。表面的にはトム・クルーズの行動は武士道に魅せられたようになっていますが、インディアン虐殺のトラウマが、滅び行く集団である渡辺謙が率いる武士一族と重なりあっているだけですね。結局ハリウッドにとって、精神文化面においてサムライもインディアンも同じなんですよ。ラストで渡辺謙が政府軍に戦いを挑むのは、“今日は死ぬには良い日だ”じゃないですか。武士集団の村にでかい寺があるのですが、禅と武士道は密接につながっているので、禅を学ぶ寺がないのはおかしいと彼らは考えるんです。だから、日本人にとっておかしいようなシーンでも、彼らにとっては当然なことなんですね。歴史的にみて、日本にとって近代化は決して悪いことじゃないですよ。アメリカは、太平洋戦争は軍事を中心とする日本の近代化が原因と考えているのかもしれませんがね。それにしても、トム・クルーズは鎧姿が意外と似合っていました。足が短いのかなァ。
昨日、『エイリアス』の第2シーズンが終了。第3シーズンをちゃんと放送してくださいよ、NHKさん。『ヤング・スーパーマン』も『ロスト・ワールド』も、未だに新シーズンが放送されません。謎のまま放ったらかしにされるのは、精神衛生上よくありませ〜ん。