目玉の松ちゃん

nostalji2005-08-09

パソコンの状態が昨日のままなので、録画していた尾上松之助の『渋川伴五郎』と『豪傑児雷也』を観る。尾上松之助は“目玉の松ちゃん”の愛称で呼ばれた映画創生期のスーパースター。生涯千本の映画に主演したと云われています。“目玉の松ちゃん”と云われるくらいなので、目が大きいのかと思いましたが、特別目玉が大きいわけでありません。歌舞伎でいう見得を切った時に目が鋭くなり、その迫力が観客に強い印象を残したからでしょうね。でもって、『渋川伴五郎』(1922年・日活/監督:築山光吉)ですが、歌舞伎調の立回りですが、ピタリと型が決まっていて様式美を感じます。大蜘蛛との闘いなんて、最近の映画では見られない楽しさがありましたよ。チャンバラ・ファンとしては見ておく必要のある作品といえま〜す。
『豪傑児雷也』(1921年・日活/監督:牧野省三)は、日本映画初期のトリックがふんだんに見られて愉しい作品です。児雷也が空を飛んだり、パッと消えたり、大蝦蟇に化けたりとかね。昔の子供はこれを見て興奮したのでしょうが、今の子供は馬鹿にするだけでしょうね。だけど、縫いぐるみの蝦蟇なんて長閑でユーモアに溢れていていいもんですよ。この映画を観て思ったのですが、サイレントの洋画と比べると出てくる字幕が極端に少ないですね。これは、弁士がセリフを喋ることを前提に作られているからでしょうね。監督は日本映画の父と云われ、旅役者だった尾上松之助を見出した牧野省三です。画像は尾上松之助