映画の歓び

nostalji2006-07-29

図書館から借りてきた、笠井嗣夫:著の『映画の歓び』(響文社:2005年10月15日初版発行)を読了。著者の思い入れを込めた監督論。日本人監督10人、外国人監督9人という構成になっており、外国人監督にハリウッド監督が一人もいないというのは、詩を愛する著者の人生観の表れでしょうね。私が知っている外国監督はゴダールとデュヴィヴィエだけ。日本監督でとりあげていた田中登塩田明彦は私の知らない監督で、つまり普通の映画ファンには馴染みのない監督論になっています。映画の観方は人それぞれですが、映画好きの気持ちが伝わってくればそれでいいのです。
靖国合祀の問題が話題になっていますが、よくわからないのが戦没者の定義。戦没者というのは、戦時中に戦場死(戦死および戦場での病死)した人のことだと思いますよ。そうでない人まで祀っているから、おかしなことになるんですよ。国として祀るなら、徴兵されて死んだ人(兵卒)に限定すれば、もっと明確になります。兵卒と士官では責任度合いが異なりますから。といっても、戦死した職業軍人(士官)を祀る陸軍省とか海軍省といった軍隊組織がないので、現状は無理なんですけどね。