適当な題名

nostalji2009-07-19

NHKハイビジョンで『星空の用心棒』(1967年/監督:スタン・ヴァンス)を放映。劇場公開されたのは100分にカットされたものだったけど、今回放映は123分のオリジナル完全版ですね。完全版は未見なので録画しました。ジュリアーノ・ジェンマが刑務所から脱走して、自分に罪をきせた連中に復讐するという変り映えのしない西部劇(マカロニウエスタン)ですが、きびきびしたジェンマの動きが魅力です。それと、保安官の星型バッチのフチが刃物になっており、それを投げて相手を倒すというのが新趣向でしたね。『新・夕陽のガンマン』が大映の『新書・忍びの者』からの頂きであるように、おそらく日本の忍者映画からの頂きでしょう。星型バッチに関連して、『星空の用心棒』ね。
『用心棒』を西部劇化した『荒野の用心棒』は別として、およそ関連性のない『続・荒野の用心棒』から『真昼の用心棒』、『南から来た用心棒』、『暁の用心棒』とマカロニウエスタンの邦題は適当なものが多いです。以前、当時の東和で働いていた人と話したことがあるのですが、マカロニブームになり、プレス資料だけで試写も見ずに買い付けていたため邦題は適当だったとのこと。配給会社はどこも同じ事情だったようで、東和の“用心棒”に対して、ユナイトは“ガンマン”、ヘラルドは“無頼”、松竹映配は“一匹狼”と決め、後は適当に付けていますね。
画像は、『星空の用心棒』のジュリアーノ・ジェンマ。この映画が公開された1968年度のスクリーン誌の男優人気投票では、スティーブ・マックィーン(1位)、アラン・ドロン(2位)に続いてジェンマは3位となっています。ちなみに4位がクリント・イーストウッドで5位がフランコ・ネロと、マカロニウエスタンの人気が反映されたものとなっていま〜す。