珍品というより珍奇

nostalji2010-04-09

ビデオの『ザ・サムライ荒野の珍道中』(1974年/監督:セルジオ・コルブッチ)を再見。最初観た時は、あまりの酷さに再び観ることはないと思っていたのですが、二階堂卓也:著の『イタリア人の拳銃ごっこ』に、「マカロニウエスタンのタイトルを台詞がわりにズラズラ並べて笑わせた」とあったので、いつか再見しようと考えていたんですよ。冒頭に出てくるのですが、私の英語力では半分もわかりませんでした。
でもって内容ですが、三船・ブロンソン・ドロンが出演した西部劇『レッド・サン』のパロディです。日本人使節団が大統領に献上するポニーをインディアン(白人が変装した偽者)に奪われるんですな。ポニー(シンミと言っているが神馬=シンメのことだと思う)の身代金が要求され、金を運ぶ保安官(イーライ・ウォラック)・馬を取り返そうとするサムライ(トーマス・ミリアン)・金を盗もうとする流れ者(ジュリアーノ・ジェンマ)の三人と、金を奪おうと襲撃してくる悪党一味が目的地を目指してドタバタ道中をします。とにかく、ミリアンの扮装が酷いのです。白塗りペインティングで吊り上げた目に泥鰌ヒゲと、まさに外人の日本人像ですね。日本語になってない日本語を喋たりと、彼の存在そのものがギャグなんで、目くじらを立てることもないのでしょうが、珍奇すぎて笑えません。コルブッチらしいお笑いアクション演出や、乱闘シーンにおけるジェンマの動き、ウォラックのとぼけた演技など持ち味が出ているところはあるんですけどねェ。