独創性はないが

nostalji2011-01-12

秋田禎信:著の『ベティ・ザ・キッド(上巻)』(角川スニーカー文庫:2010年9月1日初版発行)を読了。荒れ果てた大地と砂漠の星を舞台にした西部劇です。父親を無法者に殺された少女が、“賞金稼ぎのベティ・ザ・キッド”となって仇を捜して旅をする物語ね。一緒に旅をするのが、原住民との混血少女と、ベティに武器の扱い方や戦い方を教える謎の男。ベティたちの乗り物が戦車というのは西部劇らしくないのですが、砂鮫を4頭つないだバス船(駅馬車)を襲う走行亀に乗った強盗団など、西部劇でお馴染み世界を少し変えた程度ですね。政府軍がホワイトマフラーだなんて、安直だなァ。本格的な西部劇にはそれなりの知識が必要となるので、想像だけで西部劇を描くには、SF形式にするしかないでしょうね。
上巻には、『ザ・スニーカー』に連載されていた4話と、書き下ろし1話が収録されており、1話完結なので1日1話というペースで読みました。下巻も同じペースになるでしょう。読み出したら止まらないという小説ではないのでね。