これまた両家抗争

nostalji2013-01-09

西部劇DVDの『丘の一本松』(1936年/監督:ヘンリー・ハサウェイ)を観る。鉄道建設のために技師のジャック(フレッド・マクマレー)がケンタッキーの山中にやってきます。そこはトリヴァー家とファリン家が何代にもわたって対立している土地だったんですな。ジャックはファリン家に撃たれたトリヴァー家のデイブ(ヘンリー・フォンダ)の傷を治療したことから、トリヴァー家に出入りするようになります。トリヴァー家の娘ジェーン(シルビア・シドニー)はジャックと知りあい、ジャックを好きになり都会の学校に憧れます。従妹のジェーンを密かに愛しているデイブは、ジャックに敵対心を持ち、殴り合いとなりますが、ファリン家がデイブを襲います。ファリン家は息子をデイブに殺されたことから深い怨みを持っていたのね。ジャックはデイブを助けて共同でファリン家相手に殴りあいます。ジャックにも恨みを持ったファリン家が鉄橋を爆破しようとして、工事現場に遊びにきていたジェーンの幼い弟が巻き込まれて死に、ジャックはファリン家に乗り込もうとしますが、ジャックとジェーンが愛しあっていることを知ったデイブが、長年の抗争の決着をつけるために身を捨てるので〜す。
やってきた外来者によって両家の対立に決着がつくというのは、『大いなる西部』と同じですね。デイブはファリン家の男に後ろから撃たれ、家長のファリンが撃った男を卑怯者として殺し、両家のわだかまりが消えるのはご都合主義的ですが、息子といえども卑怯者は許さないというのは西部劇における当時のアメリカンスピリットなのでしょう。全体としては特段優れたものはないものの、テクニカラーで野外撮影された最初の作品で、両家の抗争を見つめてきた丘の一本松の映像が渋く味わいあるものでした。
画像は、ヘンリー・フォンダ。デビューして間もない頃で、若々しくて美男子ね。
個性派俳優の佐藤允(78歳)さんが亡くなる。どこから見ても美男ではありませんが、美男でなくても主演スターになれるという先鞭をつけましたね。東宝のハードボイルド路線に、なくてはならない存在でした。