イメージを破って

nostalji2013-09-18

録画していた『ロング・グッドバイ』(1973年/監督:ロバート・アルトマン)を観る。けだるい音楽とムードの中で、特定ブランドのキャットフードしか食べない我儘ネコを相手に独り言を言うフィリップ・マーロウエリオット・グールド)は、チャンドラーの原作にあるようなハンフリー・ボガートロバート・ミッチャムのマーロウとは違うイメージになっています。
マーロウの友人テリーが妻殺しの容疑をかけられて消えます。マーロウはテリーの近所に住むアイリーン(ニーナ・ヴァン・パラント)から、失踪したアル中作家の夫ウェイド(スターリング・ヘイドン)の捜索を依頼されるんですな。マーロウは精神病院にいるウェイドを見つけ出し、家に連れ帰りますが、まもなく彼は入水自殺します。二つの事件はテリーを捜しているギャング(マーク・ライデル)につながっており、マーロウはさんざん痛めつけられながら真相にせまっていくのね。
アルトマンの演出はブラックユーモアにあふれ、70年代初期のヒッピー的風俗と相俟って効果をあげています。ストーリー展開は原作を踏襲しており、並木道を去って行くラストシーンが『第三の男』的なのは、本筋へのオマージュかな。画像は、エリオット・グールドとニーナ・ヴァン・パラント。
カメオ出演デビッド・キャラダインや、デビューしたばかりの超端役(セリフなし)のアーノルド・シュワルツェネッガーを見るのも楽しいで〜す。