最後に

nostalji2015-10-24

西部劇DVDの『不屈の男たち』(1952年/監督:ニコラス・レイ)を観る。ロデオの世界に生きる男たちを描いた日本未公開作品です。
ロデオのスターだったジェフ(ロバート・ミッチャム)は、競技で重傷を負ったことから引退して故郷に帰って来ます。実家は他人に渡り、その家を買って牧場を営むことを夢見るウエスアーサー・ケネディ)とルイーズ(スーザン・ヘイワード)の夫婦と知りあいます。ウエスは近くの牧場で働くカウボーイで、夢をかなえるためにロデオに出場して賞金を稼ごうと考えているのね。ルイーズに惹かれたジェフは二人の夢をかなえるためにウエスの相棒となってロデオのコーチをします。ウエスはメキメキ上達し、賞金を稼ぐようになりますが、派手な生活が捨てられなくなり……
ロデオ競技は色々ありますが、この作品に出てくるのはブル・ライディング(コブウシ乗り)、ブロンコ・ライディング(荒馬乗り)、スティアー・レスリング(走っている馬の上から逃げる牛に飛びつき、頭をひねって倒すまでの時間を競う)、ローピング(走っている馬の上から逃げる子牛にロープをかけ四肢を縛り上げるまでの時間を競う)です。実際のロデオ開催地でロケをし、場内アナウンスと画面とのたくみな組み合わせによってロデオの迫力ある臨場感が伝わってきます。
ロデオの世界を捨てきれない老カウボーイ(アーサー・ハニカット)やロデオ競技で事故死したカウボーイの妻の悲しみなど、華やかな世界の裏側をニコラス・レイはしっかりと描いていますね。現代西部劇というより、寂漠感をたたえた人間ドラマで〜す。