本の整理で

nostalji2016-04-26

捨てきれずにいた本の処分に取りかかる。何しろ古い小説ばかりで、ブックオフでは引き取らない代物ばかりね。処分するつもりが、読み始めたら止まりません。
でもって、カッパ・ノベルス版日本代表推理小説全集の5巻『殺意・脅迫編』(1968年2月15日第17刷発行)を再読。カッパ・ノベルス版日本代表推理小説全集は全6巻ありまして、1巻『疑惑・裁き』、2巻『情事・暴露』、3巻『恐怖・ユーモア』、4巻『残酷・復讐』、6巻『事件・奇想天外』となっていまして、この5巻『殺意・脅迫』には、高木彬光の「妖婦の宿」、黒岩重吾の「口なしの女たち」、南條範夫の「多すぎる犯人」、佐野洋の「不運な旅館」、笹沢左保の「廃墟の周囲」、新章文子の「年下の亭主」、松本清張の「たづたづし」、有馬頼義の「謀殺のカルテ」、都筑道夫の「お安く片づけます」、樹下太郎の「お墓に青い花を」、多岐川恭の「ある脅迫」が収録されています。
昔読んだ時は本格推理の高木彬光の「妖婦の宿」が一番面白く思ったのですが、再読すると、正常な人間では理解できない身体の不自由な人間の異常心理を冷静なタッチで描いた黒岩重吾の「口なしの女たち」や、妻を殺そうと好機を今か今かと待っていた夫の意外な運命を女流作家らしい木目の細かいタッチで書いた新章文子の「年下の亭主」が面白かったですね。齢を重ねることで解ってくる面白さというものがあるんですねェ。