分厚い本だったが

nostalji2016-08-09

移動や待ち時間の間に読んでいたイザベラ・バード:著(時岡敬子:訳)の『朝鮮紀行』(講談社学術文庫:1998年8月10日第1刷発行)を読了。イザベラ・バードは明治初期に日本にも来ており、日本社会や風物を偏見持たずに忠実に描いていたので、興味が惹かれて帰省用にブックオフでゲットしたものです。
バード女史は、1894年に朝鮮を訪れ、以後3年余、4度にわたり李朝末期の朝鮮各地を紀行。当時、朝鮮内外には、日清戦争東学党の乱・閔妃暗殺等の歴史的事件が続発しており、朝鮮の伝統的風土・民俗・文化だけでなく不穏な政情も伝えています。
「朝鮮の官僚は私利私欲のために、民衆を苦しめている悪事についてのニュースや報告をいっさい国王の耳にいれていない。中央政府大臣、道知事、郡守らは国の繁栄に全く無関心であり、私腹を肥やすことばかりに一生懸命。科挙試験は贈収賄、取引、売買の場以外のなにものでもなく、文官としての適性をみるための試験ではもはやない等々」と、するどい指摘。同じ女性として、朝鮮の女性の地位についても詳しく述べており、韓国時代劇がフィクションで成り立っていることがよく解りますな。
猛暑の中、実家の掃除でグダグダ。ビールを飲んで、エアコンかけて、583ページの文庫本でしたが一気に読めました。