遅ればせながら

nostalji2017-07-22

録画していた『シン・ゴジラ』(2016年・東宝/総監督:庵野秀明、監督:樋口真嗣)を観る。映画好きの友人から、公開時に観なかったことでずっとバカにされていました。ゴジラ・ファンの私だけど、最近はそれを観るためにだけ外出するのが億劫になっただけです。シネコンだけになったのも困りものです。用事があって大宮まで出かけることは月に何回もあり、昔は映画館によく立ち寄っていました。好きな時に入場(シネコンと違い時間指定不要)できるのがよかったですねェ。 
でもって、『シン・ゴジラ』ですが、良くも悪くも評判通りの作品でした。東京湾アクアラインで事故が発生し、正体不明の巨大生物が品川に上陸します。幼年期のゴジラで造形が今イチです。幼年期ゴジラは海に帰り、平穏を取り戻しますが成長したゴジラが再び出現。成長ゴジラの造形は悪くありません。廃棄核物質に適応進化した巨大生物の出現を誰よりも早く予見していたのが写真(岡本喜八)だけで登場する牧博士で、大戸島に伝わる怪物・呉爾羅から巨大生物をゴジラ命名。想定外の事故(ゴジラ襲撃)に右往左往する政府の中にあって、内閣官房副長官の矢口(長谷川博己)は日本の英知を集め、牧博士の研究データ解析などでゴジラ対策を進めますが……
東日本大震災福島原発の事故をもろにモチーフにしていますな。幼年期ゴジラが通った跡は、津波の被害のようだし、ゴジラ対策は原発事故処理対策。ゴジラへの血液凝固剤の注入は、原子炉廃棄処理に似ています。政府の対応や自衛隊の出動におけるリアル感はこれまでにないもので、その点はすぐれた出来ばえといえます。初代ゴジラへの原点回帰作品として、評価したいと思いま〜す。