帰京

nostalji2017-09-25

新幹線の中で、貴田庄:著の『原節子 あるがままに生きて』(朝日文庫:2010年9月5日第7刷発行)を読了。膨大な資料から本人の残した数少ない言葉を発見し、“伝説の女優”の素顔を浮かび上がらせたエッセイです。
14歳で映画デビューし、15歳の時に出演した『河内山宗俊』(監督:山中貞雄)で注目され、17歳で日独合作映画『新しい土』(監督:アーノルト・ファンク)に主演。写真が掲載されているのですが、とても17歳とは思えない風格があります。スターとしてのオーラが写真からでも感じとれます。
舞台挨拶はしない(映画で見てもらうのが映画俳優)、水着写真は撮らない(自慢できるスタイルでないものを見せるのは失礼)、キスシーンは撮らない(他の方法でも愛情表現はできる)の三つをタブーとし、“永遠の処女”のイメージが定着しました。現在だったら、簡単に干されたかもしれませんが、スターとしての魅力を当時の映画関係者が知っていたのでしょう。それにしても、役者やタレントはいても、今ではスターと呼べる存在がいなくなりましたねェ。