大作続きで

録画していた『グラン・プリ』(1966年/監督:ジョン・フランケンハイマー)を観る。F1グランプリをシネラマで描いた180分の大作です。

F1グランプリがモナコで開幕。注目レーサーは、アメリカ人のピート(ジェームズ・ガーナー)・イギリス人のスコット(ブライアン・ベドフォード)・フランス人のサルティ(イヴ・モンタン)・イタリア人のニーノ(アントニオ・サバト)の4人。ロータス・チームのピートとスコットが事故を起こし、原因を追究されたピートはレーシングカーの欠陥を指摘したことからチームを追われます。F1グランプリ優勝を目指すホンダの矢村(三船敏郎)は、ピートをエース・レーサーとしてチームに採用。フェラーリのサルティとニーノ、ロータスのスコット、ホンダのピートの優勝争いは最終のイタリア大会に持ち越され……

車への強い愛着と女たちに彩られた華やかなレーサーの生活ですが、それぞれ悩みを抱えており、スコットと妻(ジェシカ・ウォルター)の関係、サルティと女性記者(エヴァ・マリー・セント)の恋模様を通して描かれています。しかし、何といっても見どころは様々な映像テクニックを駆使したレースシーンです。撮影監督のライオネル・リンドンは24台のカメラを駆使してスピード感を猛烈に出す一方、フランケンハイマーはレース毎に演出を変え、生と死の極限を、マシーンと人間の息詰まるような交錯を描きだしています。世界のミフネの出演で優勝はホンダね。ちなみに、三船敏郎の英語のセリフは吹替。モーリス・ジャールの音楽もグッド。グラハム・ヒルブルース・マクラーレンといった当時の一流レーサーも出演していま~す。

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