脱獄ジャンルということで

録画していた『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』(2020年/監督:フランシス・アナン)を観る。1970年代の南アフリカで、アパルトヘイトに反対し、投獄された白人活動家ティム・ジェンキンスの実話を映画化したサスペンスです。

ティム・ジェンキンスダニエル・ラドクリフ)は、街頭で反体制活動を繰り広げて逮捕され、同志のリー(ダニエル・ウェバー)とプレトリアの刑務所に入れられます。そこに入獄しているのは、アパルトヘイトに反対して捕まった政治犯たち。ジェンキンは脱獄の計画をたて、何重にも閉ざされた頑丈な鉄製の扉を突破すべく、木で精巧な鍵作りに着手しますが……

“脱獄もの”の魅力は、いかにして脱獄するかのプロセスにあり、この作品は仲間と協力して調達した木片から合鍵を作るというもの。看守が扉の鍵を腰にぶら下げているので、それを盗み見て形状を記憶し、木片を削って鍵を作るんですな。看守の隙をついては解施錠を試み、失敗しては新たに作成するというトライ&エラーの繰り返し。木片という材質の弱さもあり、結構スリルのある展開になっています。細かいところまで目が配られており、良質の作品といえます。「事実は小説より奇なり」ですなァ。

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