聴きなれた主題歌で

録画したままだった『ある愛の詩(うた)』(1970年/監督:アーサー・ヒラー)を観る。名門の御曹司と苦学生だった女性との愛を描いた主題歌が印象に残る青春メロドラマ。

大学の図書館でオリバー(ライアン・オニール)とジェニー(アリ・マッグロー)は出会います。何故か惹かれあうようになる二人ですが、オリバーは良家の御曹司でアイス・ホッケーだけが趣味の世間知らず。一方、ジェニーはイタリア移民の菓子屋の娘で苦学生。二人はデートを重ね、愛しあうようになりますが、突然ジェニーはフランスへ行くと言い出します。身分違いから破局する苦しみを恐れたのね。しかし、オリバーはジェニーにプロポーズ。オリバーの父親(レイ・ミランド)は結婚に反対しますが、オリバーとジェニーは友人に見守られて結婚。父親からの仕送りが途絶え、学費や生活費のためにジェニーが働き、優秀な成績でオリバーは卒業。法律事務所で働きはじめ、生活が安定してきた時にジェニーが白血病に罹り……

俗にいう身分違いの恋と難病という定番的メロドラマ。これまでに何百編も語られたありふれた物語を何のてらいもなく正攻法で描き切っています。雪に覆われ白一色になったセントラル・パーク。そこに流れるフランシス・レイの流れるような甘美なメイン・テーマ。主演ふたりのみずみずしい演技。若者たちの間で反体制的な作品(ニューシネマ)が支持される一方で、ドラッグ・セックス・バイオレンスに対するアンチテーゼとして若い女性に熱狂的に受け入れられました。「愛とは決して後悔しないこと」が、流行語になるほどの大ヒット。オリバーの同級生役で若き日のトミー・リー・ジョーンズが出演していま~す。