懐かしのメロドラマ

録画していた『みじかくも美しく燃え』(1967年/監督:ボー・ヴィーテルベリ)を観る。19世紀に起きた実話をもとにしたメロドラマ。

1889年のスウェーデン。サーカスの綱渡り芸人エルヴィラ(ピア・デゲルマルク)と妻子を持つ伯爵スパーレ(トミー・ベルグレン)は熱烈な恋をしますが、道義的にも身分的にも許される時代でなく、二人は隣国デンマークへ駆け落ち。スパーレは近衛隊中尉だったことから脱走兵となり、捕まれば投獄されます。田舎のホテルに偽名で泊まり、愛の日々を過ごす二人。スパーレの同僚で親友でもあるクリストファが二人を見つけますが、二人の愛が強固であることを知り、逃げる二人をあえて見逃します。しかし、路銀のつきた二人は……

スウェーデンでは有名な心中事件のようですが、二人が愛しあうようになった経緯や駆け落ちに至る決断は一切語られず、愛の日々と心中までを描いています。ボー・ヴィーテルベリは、スウェーデンではイングマール・ベルイマン、ヤン・トロエルと共に三大巨匠と云われており、リアリスティックなタッチと誌的ムードを美しい映像で見せています。劇中で流れるモーツァルトの「ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467」とヴィヴァルディの「ヴァイオリン協奏曲・四季」が映像にマッチ。