何故か未見で

DVDで『禁じられた遊び』(1952年/監督:ルネ・クレマン)を観る。題名と音楽は誰もが知っている名作。

ドイツ軍から逃れる避難民に爆撃機が機銃掃射。5歳の少女ポーレット(ブリジット・フォッセイ)は両親を亡くし、死んだ子犬を抱えて田舎道をさまよいます。11歳の少年ミシェル(ジョルジュ・プージュリー)がポーレットを見つけ、自分の家に連れ帰ります。ミシェルの家は農家で大家族。ミシェルから死んだものは土に埋め、墓を作ることを教わったポーレットは子犬を埋め、十字架を備えます。これがきっかけで、二人が夢中になったのは昆虫やネズミのためにお墓を作って十字架を備える遊び。大人たちは十字架がなくなっていることで大騒ぎ。孤児となったポーレットを保護するために警官がやってきて……

ナルシソ・イエペスのギター音楽が情感を昂め、ルネ・クレマンの見事な演出力。声高に反戦を訴えるのでなく、少女と少年の友情と別れを詩情豊かに描くことによって立派な反戦映画になっています。だけど、無邪気でいてオシャマな表情をみせ、少女の悲しみを観る者に痛感させるブリジット・フォッセーの演技(デビュー当時の芦田愛菜みたい)なくしてはこの映画は成功しなかったでしょうね。