週に一度は西部劇

DVDで『大平原』(1939年/監督:セシル・B・デミル)を再見。アメリカ大陸横断鉄道の建設を描いた西部開拓史。

1862年連邦政府リンカーン大統領の決定により大陸横断鉄道の建設に着手。ネブラスカ州オマハを起点として西へ向かうユニオン・パシフィック鉄道カリフォルニア州サクラメントを起点として東へ向かうセントラル・パシフィック鉄道とが工事を競い、途中で結び合うという計画。セントラル側に多額の投資をしているバロウズ(ヘンリー・コルカー)はユニオンの工事を遅らせるために悪党のキャンポー(ブライアン・ドンレヴィー)と結託。キャンポーは弟分のディック(ロバート・プレストン)と工事を遅らせるために工事場付近に酒場を作ります。労働者たちを酒と賭博で誘い、工事を遅らそうという魂胆。政府は監督官としてバトラー(ジョエル・マクリー)を派遣。バトラーは部下のフィエスタ(エイキム・タミロフ)とリーチ(リン・オーヴァーマン)の助けをえて、現場の秩序を守っていきます。

バトラーとディックは軍隊時代の親友で、二人の友情は変わらないものの立場は対立的。さらに鉄道郵便の仕事をしているモリーバーバラ・スタンウィック)をめぐるバトラーとディックの恋模様が並行して描かれていきます。ラストはご都合主義。

ジョン・フォードのサイレント時代の傑作『アイアン・ホース』と比べると叙事詩的な風格も詩情もありませんが、活劇的スペクタクルの面白さがあります。地平線の彼方に一直線、にぶく光る二本のレール、字幕が手前下からあらわれ、レールにそって遠のいていく印象的なメイン・タイトルは、『スターウォーズ』のタイトルに流用されたのは周知の通り。

ジョエル・マクリーが劇中で使っているヘンリーライフルは、実際にユニオン・パシフィック鉄道で使われていた実銃だったとのこと。

今回観たDVD(西部劇パーフェクトコレクション)には、有名なセリフ「鏡は磨いておくものだ」がありません。「背中に目があるのか」と聞かれて、「鏡のおかげだ」では、味も素っ気もありませ~ん。