英雄ジンギスカン

nostalji2009-02-26

映画『モンゴル』をHPにアップするにあたり、ジンギスカンの生涯をおさらい。映画化されたジンギスカン物語は、殆どが『元朝秘史』を元ネタにしていています。その書き出しは、「上天より命ありて生まれたる蒼き狼ありき」とあって、モンゴル族の始祖は狼なんですね。『モンゴル』でも神の姿として狼がテムジン=ジンギスカンが見守っています。1162年頃、ジンギスカンは父エスゲイと母ホエルンの間に生まれテムジンと名付けられます。ホエルンはメルキト族に嫁いでいたのですが、エスゲイがメルキト族から掠奪してきたんですね。それで後年、テムジンの妻ボルテがその復讐のためにメルキト族に拉致されるわけです。エスゲイは敵対するタタール族の罠にかかって毒殺され、タイチウトが一族を率いることになり、テムジン一家は見捨てられるんですな。苦難の中、一族を再結成し、タイチウトに復讐して1189年にモンゴル族の頭首となったテムジンはジンギスカンチンギス・ハーンを名乗ります。
当時の蒙古は部族間で絶えず抗争があり、統一された国家ではありません。白人がやって来る前のアメリカ・インディアンの状況と似ています。掠奪婚など風習にも似たところが多々あります。赤ちゃんの時にだけ見られるお尻の青い痣・蒙古斑モンゴロイドの特徴で、日本人にもアメリカ・インディアンにもあって、種の起源は同じですね。
中国の史書ジンギスカンの名が出てくるのは1195年からでして、それ以前のことは正確にはわかりません。モンゴルには文字がなかったので記録がないんですよ。口伝えに語り継がれてきたのが『元朝秘史』で、ジンギスカンの半生は伝説といっても過言でないです。義経ジンギスカン説が出てきても不思議じゃないや。
HP:放出美級迷画座の「歴史劇」に『モンゴル』を追加アップ⇒http://www2u.biglobe.ne.jp/~kazu60/zanmai09/rekisi5.htm