映画音楽家のモーリス・ジャールが亡くなる。享年84歳。『アラビアのロレンス』、『ドクトル・ジバゴ』、『インドへの道』で3度のアカデミー賞を受賞しています。モーリス・ジャールの映画音楽は、イージーリスニング的な味わいでなく、マックス・スタイナー、ミクロス・ローザ、アルフレッド・ニューマンと同様な交響楽的なスケールの大きさがありますね。大作映画の音楽が多いのは、その音楽性にあるのでしょう。アラビア風のエキゾチックムード溢れる『アラビアのロレンス』のメインテーマも良いですが、私が好きなのは『ドクトル・ジバゴ』の「ラーラのテーマ」ね。バラライカが奏でる美しい旋律は、何度聴いても聴き飽きませんね。
『落陽』、『首都消失』、『クライシス2050』といった日本映画の音楽も担当していますが、作品自体の出来が悪く、音楽の印象は残っていません。
多作家のモーリス・ジャールですから、当然西部劇の音楽もあります。リチャード・ブルックス監督、バート・ランカスター、リー・マービン、ジャック・パランス、クラウディア・カルディナーレが出演した『プロフェッショナル』、バズ・キューリック監督、ユル・ブリンナー、ロバート・ミッチャム、チャールズ・ブロンソンが出演した『戦うパンチョビラ』、テレンス・ヤング監督、三船敏郎、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、ウルスラ・アンドレスが出演した『レッド・サン』、ジョン・ヒューストン監督、ポール・ニューマンが主演した『ロイ・ビーン』の4本ね。アンディ・ウイリアムズが歌う『ロイ・ビーン』の挿入歌「小さな愛のワルツ」が印象に残っています。モーリス・ジャールの映画音楽に歌が入るのは珍しいんじゃないかなァ。画像は、『ロイ・ビーン』のレコードジャケット。