美しい殺陣

nostalji2013-02-01

ビデオに録画保存していたテレビ時代劇『剣』の45話と最終回を観る。
第45話「博奕ざむらい」(監督:古川卓巳、脚本:国弘威雄)は、博奕好きの浪人が悪ヤクザを退治する物語。刀の持ち人は、浪人・関口源三郎(丹波哲郎)ね。堅苦しい宮仕えが嫌で、剣法指南役を友人の土橋久馬(杉浦直樹)に譲って浪人となった源三郎は、百姓たちを苦しめている悪ヤクザの正五郎(加藤武)のイカサマ賭博を見破り、百姓たちの借用証文を奪います。正五郎は用心棒やならず者を集め、源三郎を襲いますが……
100人のヤクザを相手に斬りまくる丹波哲郎の大立ち回りが見せ場になっています。最終回の「春夏秋冬」は四季を背景にした新国劇の名場面と殺陣だけで構成されているので、ドラマとしてはこの作品が実質的最終話となります。当初は40話に予定されていたようですが、最終話にしたのは、派手なチャンバラがあるからですかね。丹波哲郎の殺陣は豪快なのですが、斬り方の種類は多くありません。最終回で新国劇の“殺陣田村”を観たものだから、余計にそんなふうに感じました。
画像は、東映映画村で福本清三さんたちによって演じられた“殺陣田村”ね。“殺陣田村”は、1936年に沢田正二郎の七回忌記念公演で新国劇団員によって演じられました。剣の立回りを殺陣と言うようになったのは、この時からね。最終回では、大山克己・伊吹聡太朗たち新国劇のメンバーが演じています。刀の捌き方、足の運び、流麗な立回りの中に日本の美がありま〜す。