帰京途上で

nostalji2015-05-08

畠中恵:著の『まんまこと』(文春文庫:2010年3月10日第1刷発行)を読了。6つの短編からなる連鎖人情時代小説です。
主人公の高橋麻之助は神田にある八つの町をたばねる名主の息子。町内の揉め事を見事な裁きで調停します。彼の手助けをするのが八木清十郎と相馬吉五郎ね。幼馴染みの親友で、軟派の清十郎は隣町の名主の息子で、硬派の吉五郎は見習い同心です。3人が交わす軽口や憎まれ口が愉しいのね。
名主が玄関で裁定するという史実に基づいた設定が新鮮ですね。ちょっとした、しかし本人たちにとっては大事ないざこざが発生し、事実の裏に隠された真実を見つけ、どのように解決するのかが本書の読みどころです。登場人物のキャラが面白く、『こいしり』という続編があります。ドラマ化して欲しいですねェ。