これで最後

nostalji2016-04-07

録画していた『新兵隊やくざ火線』(1972年・東宝/監督:増村保蔵)を観る。大映でのシリーズは前作で終了し、大映が倒産したために勝プロと東宝が製作したものです。今回は初めてのカラー作品で、カツシンはこのキャラが気に入っていたのでしょうね。
有田(田村高廣)と大宮(勝新太郎)は北支最前線の北井(大瀬康一)小隊に配属され、スパイ容疑で捕まった少年を庇ったことから大宮は神永軍曹(宍戸錠)と早くも殴り合い。少年は軍に協力している村長(大滝秀治)の息子で、北井は少年を釈放します。それがきっかけで、大宮は少年の姉・芳蘭(安田道代)と知り合うのね。神永も芳蘭に目をつけており、大宮と神永は激しく対立。大宮が芳蘭と村はずれで逢っている時に八路軍が小隊を襲います。そのドサクサで、神永は日頃から憎んでいた北井を殺し、有田を人質にして脱出。大宮は神永を追いますが……
内容に新味がなく、復活させた意味がわかりません。不条理な軍隊を舞台に、ヤクザの義理人情の人間としての生き方と、インテリのリベラルの人間としての生き方が、カツシンと田村高廣の絶妙のコンビによって描かれ、人気シリーズとなったのですが、4作目以降はカツシンが悪い上官に鉄拳制裁をするだけの単純なものになっていきました。この作品もシリーズ後半の流れと同じね。まさに邦画界低迷期の象徴で〜す。