日本のコミックヒーロー

nostalji2016-09-14

友人に送ってもらった『黄金バット』(1966年・東映/監督:佐藤肇)を観る。戦前戦後、紙芝居や雑誌で子どもたちに人気をはくしたヒーローが活躍するSFアクションです。
惑星イカロスが軌道を変えたことを発見したアキラ少年(山川ワタル)は、日本アルプスの山中にある国連秘密機関パール研究所に招かれ、イカロスが地球に衝突することをヤマトネ博士(千葉真一)から知らされます。パール所長(アンドレ・ヒューズ)は超破壊光線砲によるイカロス爆破を決意。その集光レンズに必要な原石を求めてヤマトネ博士一行は謎の島を見つけます。イカロスの地球衝突は宇宙征服を企む怪人ナゾーの仕業で、ナゾーの部下たちがヤマトネ博士一行を襲撃。島の洞窟神殿に逃げ込んだヤマトネ博士たちは、この島がはるか昔に海底に沈んだアトランティス大陸の一部であることに気づきます。碑文を解読したヤマトネ博士は棺に眠る黄金バットと原石を発見。パール所長の孫娘エミリー(高見エミリー)が垂らした聖水によって黄金バットは目を覚まし高笑いしてナゾーの部下たちを倒します。黄金バットはヤマトネ博士に原石を、エミリーに連絡用の黄金のコウモリのブローチを渡して飛び去るのね。
超破壊光線砲の完成を知ったナゾーはただちに反撃を開始。ナゾーの幹部ケロイド(沼田曜一)・ジャッカル(北川恵一)・ピラニア(国景子)の乗った空飛ぶ潜水艦がパール研究所に迫ります。ピラニアが人間複写で所員の秋山ナオミ(筑波久子)に化け、パール所長を拉致。東京には悪の要塞・ナゾータワーが出現します。エミリーの助けを呼ぶ声に、高笑いとともに黄金バットが現れ……
主題歌が同じなのでアニメの実写化と思っていたんですが、アニメの方が後なんですね。モノクロ映像で、黄金バットの黄金の輝きやナゾーの四つ目の色を見ることはできないものの、黄金バットが大空を縦横無尽に飛ぶ特撮技術(光線が飛び、高笑いとともに空飛ぶ潜水艦を追う黄金バット。右上からとらえたカメラワーク、手の先から足先まで合成した大空中シーン。雲は流れ、マントはひらめく。初期の二重露光特撮ではあるが、そのスピード感と現実感は現在でも充分満足できるもの)は当時のレベルとしては他に類をみないものです。アメコミ・ヒーローが何度も復活するように、邦画界でもこの魅力的なスーパーヒーローを現在のCG技術を活かして復活させてくれませんかねェ。