懐かしさで

nostalji2017-07-08

友人に送ってもらった『図々しい奴』(1964年・東映/監督:瀬川昌治)を観る。馬小屋で生まれたので切人と名付けられた青年が、立身出世を夢見て活躍する物語で、これは第一部です。
両親を亡くした戸田切人(谷啓)は、旧岡山城主・伊勢田家の嫡男・直政(杉浦直樹)と出会い、伊勢田家の世話になります。恩を返すために直政のいる東京にやって来た切人は、直政の恋人だった美津江(佐久間良子)の実家の羊羹屋に奉公。美津江の励ましで、商人根性を学び、羊羹作りをマスターした切人は、ヨーロッパに旅立つ直政が残してくれた資金で独立します。持ち前の図々しさと要領で、陸軍御用達になり、ヌード羊羹は大評判となりますが……
原作は柴田錬三郎で、1961年に松竹で映画化されていますが話題になりませんでした。切人役が杉浦直樹で、原作のイメージとまるで違うのと、物語もかなり変えています。話題になったのは、1963年6月3日〜9月9日にTBS系列で放送されたテレビドラマ(大映テレビ室製作)です。大部屋俳優だった丸井太郎がこのドラマで一躍人気者になりました。直政役の杉浦直樹はドラマでも同じ役。ドラマの人気を受けて、東映が映画化したんですな。主演はドラマの主題歌を歌っていた谷啓です。映画でも同じ主題歌が使われています。丸井太郎と比べると谷啓は可愛い感じで、図々しさは今イチで〜す。