録画していたテレビ朝日スペシャルドラマ『必殺仕事人2019』(脚本:寺田敏雄、監督:石原興)を観る。
昨年の『必殺仕事人』に使われた市原悦子のナレーション(追悼なのか)から始まり、母のこうが亡くなって(こう役の野際陽子が亡くなり、ドラマでも死んだことにしたのね)落ち込んでいる妻ふく(中越典子)の身を案じる小五郎(東山紀之)は、同僚の住之江彦左衛門(松尾諭)の紹介で遺品整理のために物々交換の仲介をしている油問屋の手代・弥吉(伊藤健太郎)を家に呼びます。弥吉の許嫁・おたね(飯豊まりえ)の住む長屋が大商人・蘇我屋(近藤芳正)に命じられたヤクザ者に壊され、おたねの母も殺されたことから恨みをはらすために仕事人に依頼。お菊(和久井映見)が弥吉の頼みをきき、小五郎・涼次(松岡昌弘)・リュウ(知念侑李)・陣八郎(遠藤憲一)が蘇我屋とヤクザ一家を仕末します。しかし、蘇我屋の背後には老中(林家正蔵)と結託した上総屋(西田敏行)がおり、物々交換の仲介料で仕事人への頼み料を稼いだ弥吉を配下にすることを計画。言葉たくみに弥吉の後見人になり、弥吉は献残屋として独立します。弥吉を妬んで上総屋の言いなりになる番頭・金次郎(袴田吉彦)や、弥吉を好きになる将軍家遠縁の娘ほのか(松井玲奈)の存在で弥吉の人生の歯車が狂いはじめ……
必殺シーンが中盤とラストの2回ある構成は悪くないのですが、殺し方に今イチ工夫が足りません。老中をも操る西田敏行の悪役ぶりはグッド。野際陽子の代わりにこうの妹役でキムラ緑子が登場して小姑ぶりを見せるのですが、そろそろ“中村主水”パターンから変えた新しい小五郎像が見たいですな。例えば子どもができて、ふくの尻に敷かれ、育児におわれる現代的亭主像とかね。年1の作品なんですから、練りに練った内容に期待したいで~す。