1年に1回の時代劇

録画していたテレビ朝日のSPドラマ『必殺仕事人2020』(脚本:西田征史、監督:石原興)を観る。
江戸の町で親を騙して金を奪う“親だまし”の詐欺が頻発。詐欺の取り締まりを強化するために本町奉行所に湯川伊周(市村正親)奉行と田上誠蔵(杉本哲太)与力が着任。そんな中、同心の渡辺小五郎(東山紀之)は、ひょんなことから助けた少女つゆ(古川凛)になつかれます。つゆの母たけ(森川葵)は水茶屋で働いており、小五郎の妻ふく(中越典子)と小姑のてん(キムラ緑子)はつゆを預かるのね。経師屋の涼次(松岡昌弘)は水茶屋でたけと知り合い親しくなります。庭師として働くリュウ(知念侑李)は田上家で引きこもりの息子・新之丞(杉野遙亮)と親しくなり、外に連れ出すことに成功。新之丞は教育者・溝端九右衛門(駿河太郎)の熱弁に心酔し、九右衛門の「新生塾」に入塾しますが……
昨年同様に市村悦子の『必殺仕事人』のナレーションがあり、オープニングで騙されて死んだ父親の怨みを引き受けた小五郎が“親だまし”を仕末。中盤に騙されて金を奪われて殺されたたけの怨みをはらすために、小五郎・涼次・リュウが半グレ集団の五十嵐鉄三郎(大東駿介)たちを仕末。ラストは“親だまし”集団や半グレ集団を操っていた九右衛門一味とさらにその上の黒幕・湯川を仕末。黒幕が自ら悪行をベラベラ喋るというのは脚本に工夫が足りません。
昨年までメンバーだった陣八郎役の遠藤憲一は登場しませんが、知念侑李のリュウの殺しがレベルアップしていますな。松岡昌弘の涼次の殺し方は、毎度お馴染みのパターンでもう少し工夫がほしいです。東山紀之は現在では数少ない時代劇の似合う役者で、殺陣の上手さだけでなく、往年の時代劇スターに似た滲み出る品の良さがありま~す。

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