今月も

録画していた『悪名十八番』(1968年・大映/監督:森一生)を観る。市会議員に立候補する兄のために、対立候補の悪徳ヤクザを相手に朝吉と清次が大暴れするシリーズ14作目。

過剰防衛の罪で拘置所に入れられた朝吉(勝新太郎)でしたが、兄・辰吉(金田龍之介)の尽力により執行猶予となり保釈されます。町の浄化のために市会議員に立候補した辰吉は選挙準備で忙しく、迎えにきたのは事務員の鈴子(安田道代)。対立候補である悪徳ボスの中沢(西村晃)は辰吉を追い落とすために子分に命じて朝吉にケンカを仕掛けます。朝吉によって池に放り込まれた子分を幹部の増造(守田学)が殺害。朝吉は殺人犯に仕立てられます。無実を証明できる鈴子は中沢組に連れ去られ、事件のことを知って駆けつけてきた清次(田宮二郎)と鈴子を捜しに大阪へ。朝吉の昔の仲間・佐太郎(藤田まこと)の協力で居場所を知った朝吉と清次は中沢の部下・荒雲の手から鈴子を救い出します。中沢は朝吉と深い仲になった遊女のお染(森光子)を使って朝吉を誘き出そうとしますが……

朝吉の関係者に死人は出ず、藤田まことの他にも鳳啓介・京唄子芦屋小雁をコメディーリリーフに使い、悪党は鉄拳制裁と、森一生は本来の姿に戻しています。田宮二郎はこの作品の後、待遇問題で会社と揉めて大映を退社したため、この作品が最後となりました。