週末も

録画していた『悪名幟』(1965年・大映/監督:田中徳三)を観る。朝吉と清次が堅気になれず、土地を騙し取ろうとしたヤクザを成敗するシリーズ10作目。

朝吉(勝新太郎)と清次(田宮二郎)は、堅気となる宴を“びっくり鍋”という小料理屋で開きます。朝吉は、堅気資金として有り金を清次に全部わたして別れたものだから無一文。“びっくり鍋”の主人・正太郎(内田朝雄)は一帯を仕切る親分で、その娘・お米(水谷良重)に案内されて朝吉は遠藤(佐藤慶)の賭場へ行きます。ここで朝吉は町工場の女社長・お政(ミヤコ蝶々)相手に百万円以上の大金を勝ち取るのですが、お政が朝吉に差し出したのは不渡りになる小切手。お政の頼みで朝吉は、小切手をお政に返すために遠藤の親分である正太郎に直談判。小切手はお政に返されることになり、朝吉は堅気になるために屋台のラーメン屋になります。これを面白く思わない遠藤は、親分とお政をだまして工場を抵当にいれる借用書を書かせ、愚連隊の中津(島田竜三)に頼んで朝吉襲撃を計画。しかし、朝吉を襲いにやってきたのが中津の用心棒になっていた清次で……

シリーズ1~4で琴糸役だった水谷良重が、役をかえて再出演。琴糸の存在が大きかったので違和感がありました。時があいていればそうでもないのでしょうが、一挙観しているためでしょうね。この作品から朝吉と清次は宿無しの風来坊になっており、時代も現在時点(映画と同時期)になっています。コメディーリリーフもおらず、もっぱらカツシンと田宮のセリフで笑いをとる感じで~す。