昨日に続き

録画していた『現代やくざ・与太者仁義』(1969年・東映/監督:降旗康男)を観る。シリーズ2作目で、貧民窟に育った三兄弟の愛と葛藤。

政界と癒着している田坂産業の田坂(河津清三郎)を脅すために発砲した後、山崎組の組員だった徹(田村正和)は足を洗うと言って行方をくらまします。山崎組と悶着を起こして東京から去っていた徹の兄・五郎が4年振りに帰ってきて、山崎組幹部の五郎と徹の兄・浩一(池辺良)と再会。五郎の昔の恋人・美左(水谷良重)が浩一と結婚していることを知ります。山崎(渡辺文雄)から徹を連れてくるように命じられた浩一が生まれ育った貧民窟を訪ねると、五郎が徹と徹の恋人(佐々木愛)を仲間の黒田(中丸忠雄)のところへ逃がしたあと。徹は山崎組にある田坂産業の贈収賄証拠書類を盗んで、田坂を脅して大金を手に入れ恋人と海外へ逃亡することを計画。五郎と黒田が徹に協力して書類を奪いますが、逃げる途中で五郎が山崎組に捕まります。浩一が五郎を拷問。徹は田坂を脅しますが、田坂は山崎と手を結び、田坂との待ち合わせ場所で徹と黒田は山崎組に殺されます。一方、五郎は美左に助けられますが、浩一と対決。美左は浩一を庇って五郎に刺されます。徹と黒田が無惨に殺されたことを知った五郎は山崎組に殴り込みますが、浩一が現れ……

この作品の特長は多彩なキャスト。田村正和中丸忠雄はこの作品が東映初出演。水谷良重はこの作品以後、舞台(新派)が中心となって映画からは遠ざかります。そして、組織の中で生きる池辺良の苦渋に満ちた演技がこの作品を支えていますね。この作品でもって菅原文太の既成のヤクザ組織に歯向かう狂犬のような一匹狼というキャラが完成。前作の『与太者の掟』は、大物ゲストの出演で少しバランスの悪い内容でしたが、筋の通ったハードな内容になっていま~す。