週に一度は西部劇

BS1で放送された『クイック&デッド』(1995年/監督:サム・ライミ)を再見。

早撃ちトーナメントが行われる町にガンマン姿の美女エレン(シャロン・ストーン)がやってきます。エレンの目的はトーナメントに参加して町長ヘロッド(ジーン・ハックマン)を倒すこと。フラッシュバックされる少女時代の回想で、ヘロッドに保安官だった父親(ゲイリー・シニーズ)を殺されたことがわかります。謎解きや復讐よりも、メインは次々に展開する早撃ち自慢のデュエル(決闘)です。出場者は16名。エレンの他に、ヘロッド、父を越えようとしているヘロッドの息子キッド(レオナルド・ディカプリオ)、無理やりヘロッドに出場させられた元ガンマンのコート(ラッセル・クロウ)、大言壮語のハンロン(ランス・ヘンリクセン)、ヘロッドを狙う賞金稼ぎのキャントレル(キース・デイヴィッド)、殺人狂の脱獄囚スカーズ(マーク・ブーン・ジュニア)、強姦魔のユージン(ケヴィン・コンウェイ)など。

ガンプレイそのものにはそれほど工夫はありませんが、出てくる拳銃が嬉しくなりますな。レミントン、スコーフィルド、レミントン・ダブルデリンジャーといった西部劇ではお馴染みの拳銃だけでなく、珍しい拳銃が使われています。ディカプリオが最初に倒した相手の拳銃がル・マットだったし、シャロンがスカートの中に隠し持っていたのがナックルダスター型回転拳銃といった具合。ガンベルト・マニアによると、頭に風穴をあけられる黒人ガンマンのキャントレルがつけていたのがブリッジボード・リグと呼ばれる珍しいガンベルトだったとのこと。

サム・ライミの演出は、マカロニテイスト満載。主人公が墓場(首吊り死体までブラ下がっている)を通って町にやってくるところや、町に入るや棺桶屋(この作品が最後となったウッディ・ストロード)が出てくるところ、ダイナマイトを爆発させて硝煙の中から主人公が現れるというクライマックスとかね。マンガ的な表現もありますが、観客を愉しませようとする意欲は買います。

あどけないディカプリオや、この作品がアメリカ映画デビュー作となったラッセル・クロウを見るのも一興です。

“美しいものが勝つ”のだよ。