週に一度は西部劇

録画保存したまま放たらかしていた『拳銃王』(1950年/監督:ヘンリー・キング)を観る。拳銃稼業のむなしさを知ったガンマンを描いた西部劇。

ジミー・リンゴ(グレゴリー・ペック)は西部きっての早撃ちガンマン。彼を倒して名をあげようとする若者(リチャード・ジェッケル)を正当防衛で射殺。追って来る若者の兄3人をやり過ごして、別れた妻ペギー(ヘレン・ウェスコット)が住む町へ急ぎます。酒場の主人(カール・マルデン)がジミーを知っており、酒場の前は大騒ぎ。ジミーの昔の仲間で親友のマーク(ミラード・ミッチェル)は保安官になっており、町を立ち退くように忠告。ジミーはペギーに会ったら町を去ると答え、マークはそのことをペギーに伝えます。しかし、ペギーは夫に会うことを拒絶。ジミーに喧嘩をうって挑戦しようとする若者ハント(スキップ・ホメイヤー)や、ジミーを息子の仇として狙う男が現れたりして、マークから妻の意中を聞いたジミーは町を去ろうとしますが、昔の仲間の恋人だったモリージーン・パーカー)と再会。ペギーは今でもジミーを愛しており、もう一度ペギーを口説くとモリーが約束したことからジミーは追手が迫るまで待つことにします。ジミーは駆けつけたペギーと息子に会うことができ、町から去ろうとしますが……

ヒロイズムを謳歌する西部劇と異なり、英雄にされすぎた悲劇と、ガンマンの孤独と焦燥と不安をリアルに描いた西部劇として、公開当時好評だった作品。グレゴリー・ペックに早撃ちガンマンらしさがない(ペックの早撃ちシーンがない)のが難点。ラストで夕闇の中を旅立って行くガンマンのシルエットが誰かということが話題になったことがあります。ペックを殺したホメイヤーというのが一般的なのですが、ペックは死んでおらず、あれはペックだという説があったんですよ。