昨日に続き

西部劇パーフェクトコレクション『荒野の騎兵隊』に収録されている『隠された黄金』と『シスコ・キッド現る』を観る。

『隠された黄金』(1952年/監督:レイ・ナザロ)は、金塊密輸団に潜入する秘密捜査官の物語。

1893年、金塊が国外に密輸されていることを知った財務省は、金鉱石が大量に盗まれているクリップルクリークへ捜査官のブレット(ジョージ・モンゴメリー)とラリー(ジェローム・コートランド)を派遣。ブレットはテキサスの無法者を装い、黒幕と思われるカービー(ウィリアム・ビショップ)の酒場へやってきます。酒場の賭博場にはカードディーラーとして仲間のストラップ(リチャード・イーガン)が既に潜入中。賭博場の金を盗もうとした強盗をやっつけたことからブレットはカービーに信用され、金の鉱石を運んでいるカボー(ジョン・デナー)に近づきます。カボーは廃鉱で製錬しており、できた金塊を鉛でメッキ。ブレットはその運送先をつきとめますが……

主人公が財務省の捜査官で、奪った上質の金の鉱石を製錬して中国へ密輸するというのも珍しい設定。ジョージ・モンゴメリーは、ビル・エリオット、ロッド・キャメロンと並ぶ1940年~50年代に粗製乱造されたB級西部劇のスター。

『シスコ・キッド現る』(1945年/監督:フィル・ローゼン)は、ダンカン・レナルドのシスコ・キッドが活躍するB西部劇。

シスコ・キッド(ダンカン・レナルド)はパンチョ(マーティン・ガララガ)と駅馬車強盗をして、美女のエレン(グウェン・ケニオン)を誘拐。エレンは財閥婦人を殺した容疑で指名手配されています。エレンから話を聞いたシスコは、彼女が無罪であることを信じ、真犯人の医者を誘き出すために婦人の相続人であるヘイスティングス(ノーマン・ウィリス)に近づきますが……シスコ・キッドは、初代ワーナー・バクスターからシーザー・ロメロ→ダンカン・レナルド→ギルバート・ローランド→再びダンカン・レナルドと主演者を変えて何本も作られていますが、これは3代目シスコ・キッドとして出演した時のもの。レオ・キャリロ(パンチョ役)と組んで再登場したシリーズは完全にお子様向けでしたが、この作品ではシーザー・ロメロの流れを継いで、女性に弱い粋な主人公となっています。