B西部劇といえば

西部劇パーフェクトコレクションの『コロラドの争い』『シスコ・キッドと少女』『ラスベガスの保安官』を観る。

コロラドの争い』(1952年/監督:ウィリアム・ウィットニー)は、レックス・アレンのシンギング・カウボーイ作品。

仲間のスリム・ピケンズが牧場を相続することになり、レックス・アレンはスリムとコロラドの牧場へ。牧場はスリムの他に東部からきた娘ジャッキー(メアリー・エレンケイ)と製材所を営むキャリー(ジューン・ヴィンセント)が相続することになります。キャリーは牧場内の木を全て伐採しようと考えており、洪水をひきおこす森林の伐採を止めようとする森林管理官を殺害。全ての木が害虫に感染しているので伐採する必要があると、管理官の替え玉を使って騙し、スリムとジャッキーから安く土地を買いとろうとします。レックスはそれを怪しみ、林業局へ問い合わせの手紙を書きますが……

河が増水し、リパブリックリズムライダーズのコーラスをバックにレックスが歌いながら土嚢を積上げるのは真にシンギング・カウボーイ。愛馬ココに飛び乗る時の動きの速さなど、歌うだけでなく、西部劇スターとしての資格は充分です。

『シスコ・キッドと少女』(1945年/監督:ジョン・P・マッカシー)は、幼い少女に遺された財産を狙う悪党をシスコ・キッドが退治。

悪党のハリスと結婚しようとしているロジータ(セシリア・カジェホ)を止めるためにシスコ・キッド(ダンカン・レナルド)は、相棒のパンチョ(マーティン・ガララガ)が借りてきた幼女ナンシーをロジータの娘と偽り、気絶したロジータを連れ去ります。ナンシーを返しに行くと、父親は殺されていてシスコに殺人容疑がかかり、シスコは捜査を開始。ナンシーの母親という女が現れ……

シスコ・キッドは、初代ワーナー・バクスターからシーザー・ロメロ→ダンカン・レナルド→ギルバート・ローランド→再びダンカン・レナルドと主演者を変えて何本も作られていますが、これは3代目シスコ・キッドとして出演した時のもの。レオ・キャリロ(パンチョ役)と組んで再登場したシリーズは完全にお子様向けでしたが、この作品ではシーザー・ロメロの流れを継いで、女性に弱い粋な主人公となっています。

『ラスベガスの保安官』(1944年/監督:レスリー・セランダー)は、ビル・エリオットが売り出すきっかけとなった“レッド・ライダー”シリーズの一編。

ラスベガスの銀行が襲われて保安官が死に、強盗から金を取り返したレッド・ライダー(ビル・エリオット)が保安官になります。判事が殺され、素行の悪い息子が容疑者になりますが、死体から摘出された弾丸と息子の拳銃の弾丸が違っており、レッドは息子の無実を確信。息子をリンチしようと煽る者がおり、レッドは事件の黒幕に罠をかけます。

本から飛び出した主人公が二挺拳銃を撃つタイトルが、いかにもお子様向けヒーローといった感じでグッド。相棒が少年インディアン(子役時代のロバート・ブレイク)というのも、子供たちは身近に感じたでしょうね。テレビが普及するまで、アメリカの子供たちはB西部劇で楽しんだので~す。