原作期待で

録画していた『陽気なギャングが地球を回す』(2006年/監督:前田哲)を観る。伊坂幸太郎のベストセラーをもとに映画化した犯罪コメディです。

人間嘘発見機の成瀬(大沢たかお)、演説の達人・響野(佐藤浩市)、天才スリの久遠(松田翔太)、正確な体内時計を持つ雪子(鈴木京香)の4人は、自分たちの能力を使って銀行から4千万円を盗みますが、何者かにそれを横取りされます。別れた亭主・地道(大倉孝二)に息子を誘拐された雪子が情報をもらしたのね。奪われた金を取り返すために地道を捕まえますが……

明らかにCGとわかる安っぽい映像は、予算たっぷりのハリウッドの逆手をとって、コメディを意図したのでしょうが、出演者のキャラが陽気でないのが致命的。陽気なふりをしているだけに見えて、笑えないんですよ。CGカーチェイスで笑えたのに、成瀬と雪子の恋模様などウエットに流れています。この手の映画は徹底的にドライじゃないとね。お話的には退屈しませんが、もっと工夫すれば面白くなったのに、残念!

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今週の放送映画

 

日曜日は、今週テレビで放映される映画をチェック。

本日は、BS日テレ:『トランスポーター3』

9日(月)は、日本テレビ:『Dr.パルナサスの鏡』、テレビ東京:『ホワイトハウス・ダウン』、BSプレミアム:『ボウリング・フォー・コロンバイン』『家族ゲーム

10日(火)は、テレビ東京:『デスペラード』、BSプレミアム:『キューポラのある街』、BS-TBS:『007/カジノ・ロワイヤル

11日(水)は、テレビ東京:『ダブル・ジョパディー』、BSプレミアム:『昼下りの情事』、BSテレ東『隠し剣 鬼の爪

12日(木)は、テレビ東京:『死の標的』、BSプレミアム:『地上最大のショウ』

13日(金)は、日本テレビ:『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』、テレビ東京:『REDリターンズ』、BSプレミアム:『太陽の中の対決』、BS日テレ:『鬼龍院花子の生涯』

14日(土)は、テレビ東京:『フローズン』、BSプレミアム:『ユリシーズ』、BSテレ東:『男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎』、BSフジ:『座頭市喧嘩太鼓』、BS12:『ハンバーガー・ヒル』が放映されます。

キューポラのある街』は吉永小百合がブレイクした作品。私の懐かしの映画です⇒https://88231948.at.webry.info/202007/article_3.html

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画像は、ポール・ニューマン主演の西部劇『太陽の中の対決』(1967年/監督:マーティン・リット)の原作本『オンブレ』(新潮文庫:2018年2月1日発行)です。エルモア・レナードの小説を村上春樹が訳しています。西部小説なんて売れるわけないのに、村上春樹が訳したので発売したのでしょう。ちなみに、オンブレとは主人公の名前ね。

続きでなく

録画していた『ヘルボーイ(2019)』(2019年/監督:ニール・マーシャル)を観る。2004年に映画化された人気コミックを原作者マイク・ミニョラーの完全監修で再映画化したアメコミアクションです。

地獄で生まれたヘルボーイ(デヴィッド・ハーバー)は、ブルーム教授(イアン・マクシェーン)に育てられ、BRPD(超常現象調査防衛局)のエージェントとして活動。そんな彼に、英国に出現した人食い巨人退治の要請がきます。暗黒時代に封印された血の女王(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が復活しようとしており、霊媒能力を持つ少女アリス(サッシャ・レイン)や豹人間のベン・ダイミョウ少佐(ダニエル・デイ・キム)とともに血の女王の野望を砕くために戦いを開始しますが……

ある程度“ヘルボーイ”を知っていることを前提に作られているので、誕生の経緯とか、ブルーム教授との関係などは端折って、いきなりアクション全開です。それも血みどろグロテスクなシーンばかりね。ヘルボーイアーサー王の血をひいているなんて初めて知りましたよ。アーサー王伝説と無理やり結びつけた感じね。ギレルモ・デル・トロの前作と比べるとドラマに厚みがなく薄っぺらいです。続編を臭わせるエンドクレジットでしたが、米国では不評だったので果たして……

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ジャッキー・チェンなので

録画していた『ナイト・オブ・シャドー 魔法拳』(2019年/監督:ヴァッシュ・ヤン)を観る。妖怪ハンターと妖怪の戦いを描いたファンタジー・アクションです。

妖怪ハンターで小説家でもあるプウ(ジャッキー・チェン)は、“陰陽の筆”の力を使い、邪悪な妖怪たちを地獄に封印しています。村の少女たちが美しい二人の女妖怪によって次々に誘拐される事件が発生し、プウが捜査を開始。そこへ正体不明の男チュイシャ(イーサン・ルアン)が現れ、女妖怪のひとりシャオチン(エレイン・チョン)はかつて人間で、愛する男のために妖怪になったことを告げます。そして、シャオチンを人間に戻してくれるようにプウに頼みますが……

VFXによるアクションばかりで、ジャッキーらしいアクションはありません。ジャッキーも齢をとったということですかな。中国の古典『聊斎志異』が元ネタで、主人公はその作者という設定。ストーリーはバラバラで、展開もバラバラ。はっきり言って、褒められる作品ではありませ~ん。

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マンガなの

録画していた『クロス 悪党どもの逆襲!』(2019年/監督:パトリック・ダラム)を観る。超人的パワーを持つ凄腕集団の活躍を描くシリーズ3作目(劇場未公開)のSFアクションです。

十字架型の護符を持つキャラン(ブライアン・オースティン・グリーン)は、その護符によって超人的パワーを発揮します。キャランと同じように護符を持つ仲間と“クロス”という集団を結成し、悪党退治。極悪人のムエルテ(ダニー・タレホ)は、死の護符を手に入れたドラゴを仲間にして、ロサンゼルスを核爆弾で破壊しようと計画します。ドラゴの前にクロスのメンバーが次々に倒され、キャランはかつての宿敵ガンナー(ヴィニー・ジョーンズ)と手を組むことにしますが……

クロスが活躍するのはパラレルワールドの世界で、彼らの行動を、コミックを見ながら援助しているのが現実世界の人間という設定なんですかね。ラストでこっちの世界にも影響を与える大事件が起こったといってクロスのメンバーのひとりがやって来ますからね。でもって、4作へ続くとなるようです。とにかく登場人物がやたら多く、前2作を観ていないので何が何やらサッパリわかりません。わかったのは、ダニー・タレホのテロ計画をいつもクロスに邪魔されているということだけで~す。

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これもまた

録画していた『アビゲイル クローズド・ワールド』(2019年/監督:アレクサンドル・ボグスラフスキー)を観る。死にいたる謎の感染症が蔓延している異世界を舞台にした劇場未公開のロシア製SFアクションです。

どこかの異世界。死にいたる謎の病気が発生し、感染拡大を防ぐために外界との接触を閉ざして100年経ちますが今も病は消えていません。街では特殊装備の検査官が人々を監視。ひとたび感染判定が下された人たちは隔離されて戻ってきません。アビゲイルの父親も感染者として連行されましたが、アビゲイルは父が生きていると信じて行方を捜索。そんな時、特殊な能力を持つ人たちと出会い、アビゲイルもその能力が覚醒していき……

ファンタジー的世界観の中で繰り広げられる超能力アクション。超能力というより魔法に近いかな。妖精も出てくるしね。金をかけている割には、ダラダラした演出で盛り上がりに欠けます。感染症で都市封鎖というのだけが現代的で~す。

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超能力というより

録画していた『エスパーズ超人大戦』(2019年/監督:ジェームズ・マーク)を観る。超人を殺害する謎の超人との戦いを描いた劇場未公開のSFアクションです。

ハイテク企業サイセイの極秘実験によって生み出された超人的ミュータント“強化体”が施設から逃亡し、傭兵部隊の兵士ジョージ(ジョージ・チョートフ)は強化体を捕らえるのを仕事にしています。自動車修理工場で働くアンナ(アラナ・ベイル)も強化体で、ジョージの部隊が彼女を捕まえようとした時、サイセイのデーターにもない謎の強化体(クリス・マーク)が出現。ジョージはアンナに捕まり、部隊は謎の強化体によって全滅。アンナはジョージを連れて謎の強化体から逃れます。ジョージはアンナからサイセイが強化体を人間兵器にしようとしていることを聞き、サイセイに囚われている強化体を解放することを決意。しかし、強化体を殺してそのエネルギーを吸い取る謎の強化体がサイセイの施設を探しており……

スタントマン出身の監督ということで派手なアクションを期待したのですが、ショボイ格闘アクションばかり。超能力といってもパワーで相手をぶっ飛ばすだけね。見るべきところのない低予算のC級映画で~す。

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