久しぶりに都内へ

nostalji2008-02-02

生誕100年ということで東京フィルムセンターにて特集しているマキノ雅弘の『浪人街』(1957年・松竹)を観に行く。『浪人街』は、マキノ雅弘が弱冠20歳の時に監督した無声映画の傑作時代劇(現存するフィルムがないのが残念)でして、黒木和雄がリメイクした1990年版は観ているのですが、監督自らがリメイクしたものは観ていなかったものでね。でもって感想ですが、無頼の浪人たちの真情を、軽妙な演出タッチを通して描きだそうとしているのですが、巧くいっていません。内面演技が重要なんですが、藤田進と近衛十四郎の演技力ではねェ。対立する旗本たちもコミカル面が前面にきたので憎々しさが消え、せっかくのラストの大立回りが活きていません。オリジナルにない新キャラとして登場した高峰三枝子も調和しておらず、ムダな存在でした。バランスの崩れたリメイク失敗作ですな。
画像は、赤牛弥五右衛門役の河津清三郎河津清三郎だけが、心の葛藤をコミカルな中に巧く表現していました。そういえば、河津清三郎はオリジナル版でも、北上弥太郎が演じた土居孫左衛門役で出演しているそうで〜す。