長くなって間延び

nostalji2012-10-10

録画していた『遠山の金さん捕物控・影に居た男』(1956年・東宝/監督:マキノ雅弘)を観る。高利貸しの因業大家(寺島雄作)が殺されるんですな。発見した人形師(本郷秀雄)の報せで目明しの八五郎田崎潤)が駆けつけると死体はそこになく、長屋の路地でカンカン踊りの格好で見つかります。新任与力に命じられて八五郎が長屋の連中を調べるんですが、大家から借金している浪人父娘、その娘と愛しあっている若い浪人、大家にカンカン踊りをさせると言っていた遊び人(中村扇雀)、遊び人に惚れている芸者、その芸者に惚れている錠前屋(杉山昌三九)など怪しい奴ばかり。与力に命じられて大家の金庫を開けた錠前屋が殺され、八五郎は大家の死体を探っていた遊び人が犯人と決めつけ家に踏み込みますが逃げられます。遊び人は錠前屋がくれたという櫛を芸者から預かると姿をくらまし、長屋の一同を集めたお白州で北町奉行遠山金四郎として現れます。
同監督が1940年に長谷川一夫主演で撮った『昨日消えた男』ノリメイクです。前作はフィルムセンターで観たのですが、前作より20分近く長くなっていますね。殺人が起こるまで、長屋の住人の生活を丁寧に描いていますが、間延びしていますよ。長谷川一夫も金さんらしくなかったけど、扇雀はもっと金さんらしくありません。前作にはなかったお白州で金さんが謎解きをするんですが、手がかりの見せ方がまずくて、唐突なところがあります。長屋内のシーンだけで、わずか10日間の早撮りした前作の方が、テンポがあって優れていま〜す。