子供向けB級SF映画

nostalji2009-02-05

昨日、東京フィルムセンターで『遊星王子』(1959年・東映/監督:若林栄二郎)を観たんですが、テレビ版より映像はスケールアップしています。遊星王子のコスチュームもね。第1部は、日本人科学者が開発したロケット燃料の機密を奪いにきた銀星(金星でなく銀星ね)のまぼろし大使(岡譲司)と遊星王子(梅宮辰夫)の戦い、第2部・恐怖の宇宙船は、地球の一流科学者を拉致したまぼろし大使(岡譲司)と遊星王子の戦いを描いたもので、どちらも1時間前後の上映時間で、2本立ての添物として作られたものです。ちなみに当時の併映作品は、第1部が東千代之介主演の『ふたり若獅子』で、第2部が中村錦之助主演の『独眼流政宗』でした。大人も子供も楽しめるように作ったのでしょうが、内容的にはテレビ版と大差ありませんね。当時だったら笑うような内容じゃないのですが、現在ではクスクス笑ってしまいます。
遊星王子は異星人なんですが、普段は日本人青年=ワクさんとして、身寄りのない誠少年や君子ちゃんと暮しているんですな。現在の異星人トミー・リー・ジョーンズは屋台のラーメン屋のオヤジですが、遊星王子は靴磨きね。王子といってもどこかの星の王子でなく、“ハンカチ王子”や“ハニカミ王子”と同じような愛称ですね。きっと地球に来るまで色々な星を旅していたんでしょう。この時は王子でも、梅宮辰夫はその後、“夜の帝王”になりましたねェ。
戦い相手のまぼろし大使は銀星人で、大きな鼻が特長ね。ヘルメットにアンテナのついているコスチュームはアメリカのC級SFに出てくるような感じで満足、満足。銀星の独裁者とのことなんだけど、独裁者なら大使でなく総統か主席じゃないですかね。漢字が読めない総理もいることだし、大使でもいいか。遊星王子に追跡されて、宇宙空間でロケットから煙幕を出して追撃から逃れるなんて、常識では考えられないことをする指揮官ですからねェ。バカバカしさがわかっていながら、真面目に演技している岡譲司って、この手の映画が好きな俳優のようですね。C級映画でも手を抜かない日本のレイ・ミランドだァ。