前編なのだ

nostalji2014-04-11

録画していた『仁義なき戦い・代理戦争』(1973年・東映/監督:深作欣二)を再見。村岡組長が病気になり、跡目をめぐって抗争が起こることになります。第1候補の打本(加藤武)は、広能(菅原文太)が日本最大のヤクザ組織・明石組の幹部・岩井(梅宮辰夫)と兄弟分であることを知り、広能を介して明石組長の舎弟・相原(遠藤辰雄)と兄弟分になります。しかし、明石組の勢力をバックに跡目を狙う打本に対して気分を害した村岡は、跡目を山守(金子信雄)に譲るんですな。岩国で山守の身内の槙原(田中邦衛)の舎弟と打本の舎弟の争いが勃発。山守は傘下の者を岩国に送ることになり、打本と兄弟分の広能、松永(成田三樹夫)、江田(山城新伍)、武田(小林旭)は筋目を通すために打本に盃を返します。孤立無援となった打本は明石組へ。明石組から幹部の相原と宮地(山本麟一)がやってきて、広能たちは打本に詫びをいれます。武田は明石組と対抗できる神和会と縁組しますが、広能は長老・大久保(内田朝雄)に頼んで、武田たちを打本と復縁させるのね。それを知った神和会は山守の責任を追及しますが、山守は全責任を広能に押しつけ破門にします。明石組は広能の窮地を救うために、打本に命じて武田たちを絶縁。武田は打本組の早川(室田日出男)を抱きこみ、打本を襲撃。呉では広能が槙原の子分に襲撃され、広能の子分・倉元(渡瀬恒彦)が槙原を狙いますが逆に殺されます。広島抗争事件の幕が切って落とされるのです。
村岡組長役の名和宏と明石組長役の丹波哲郎は静止画だけで登場。松永役の成田三樹夫は、広能にも武田にもつくことができず足を洗うことになり、本作でお役御免です。梅宮辰夫、遠藤辰雄渡瀬恒彦室田日出男は役を変えて2度目の登場。岩井役は若山富三郎、相原役は安藤昇がうってつけだと思うんですけどね。
渡瀬恒彦は第1作のふてぶてしい極道から一転して、将来の幹部を夢見て胸をわくわくさせているチンピラ役。小学校の教師(汐路章)が適職だといって文太のところへ渡瀬を連れてくるエピソードはブラックユーモアあふれています。ヨイトマケの母親役の荒木雅子もグッド。ずるく立ち回ることもできず、純粋に暴力の中で死んでいくチンピラの死をラストに持っていったところに深作のメッセージが伝わってきま〜す。