歴史の評価

nostalji2009-06-15

録画していた『クロムウェル』(1970年/監督:ケン・ヒューズ)を観る。議会を無視するチャールズ1世(アレック・ギネス)に対して権利の請願が行なわれ、スコットランド反乱鎮圧の戦費調達のために開かれた12年ぶり議会から始まり、民主政治の基礎を築くために護国卿になるまでのクロムウェルリチャード・ハリス)の活躍を描いた歴史劇です。清教徒革命によって、クロムウェルはチャールズ1世を死刑にするのですが、意志強固な鉄血宰相ぶりを見せるリチャード・ハリスと、誇り高く喰えない国王を見事に演じているアレック・ギネスの演技合戦はギネスの方が一枚上でしたね。画像は、リチャード・ハリス
清教徒革命を勝利に導く、クロムウェル率いる3千の議会軍が7千の王党軍を破ったネーズビーの戦いは、大量エキストラを使って大がかりな王朝合戦シーンを再現しており、見応えがありましたよ。演技合戦もいいけど、歴史劇はやっぱり合戦シーンがないとね。
この作品のクロムウェルは、内部権力抗争ばかりを繰り返す議会にたまりかねて、軍事・行政の全権を掌握する護国卿に就任した英雄として描いていますが、歴史の一方の見解としては、軍事力によって国王を死刑にし、独断で事を進める独裁者という評価もあります。そのため、彼の死後、息子のリチャードが護国卿に就任しましたが、強権政治の反動から王政復古が起こり、失脚しました。英雄になるか悪人になるかは、歴史の解釈次第ですねェ。
HP:放出美級迷画座の「歴史劇」に追加アップ⇒http://www2u.biglobe.ne.jp/~kazu60/zanmai09/rekisi5.htm