B級ノワールの楽しみ

nostalji2012-01-04

録画していた『現金に体を張れ』(1956年/監督:スタンリー・キューブリック)を観る。刑務所帰りのスターリング・ヘイドンが仲間を集めて競馬場の売上金を強奪しようと計画するんですな。馬券売場のイライシャ・クックやパトロール警官のテッド・デ・コルシアなどB級西部劇でよく見る顔が揃っています。イライシャ・クックの妻がその計画を知り、情夫と横取りを企み、二重のサスペンスが生まれます。妻役のマリー・ウィンザーは性悪女ぶりが板についており、この手の映画にはピッタシですね。情夫となるのは、人気TVドラマ『ベン・ケーシー』でブレイクする前のビンセント・エドワーズね。ヘイドンの計画通り、売上金強奪は成功しますが……
B級役者ばかりですが、キャスティングが絶妙で緊迫感があります。キューブリックは、仲間の家庭事情や犯行過程をセミ・ドキュメンタリー・タッチで手際よく描いており、射ち合いシーンは短いですが、それでいて迫力あるものに仕上げていますね。全体の渇いたタッチは、映像のハードボイルドで〜す。