吸血鬼映画だが

nostalji2012-06-21

録画していた『ぼくのエリ200歳の少女』(2008年/トーマス・アルフレッドソン)を観る。スウェーデン製の幻想ホラー映画です。オスカー少年(カーレ・ヘーデブラント)が母親と住むアパートの隣室にエリという少女(リーナ・レアンデション)が父親と引越してきます。オスカーはいじめられっ子で、エリと出会って毎晩言葉を交わしていくうちに彼女に惹かれ始めるんですな。その頃、町では奇怪な殺人事件が続けて発生し、オスカーはエリが吸血鬼であることを知り……
メル友のN君が推奨していた作品で、孤独な少年と吸血鬼の少女(実は少女ではないことをN君から教えてもらったのですが、全体の流れから見て支障はない)との心情がスウェーデンの風景とマッチして、冷たく静かに綴られていきます。心理描写を映像で見せていくテクニックが巧いですね。父親の友人が訪ねてきた1シーンだけで、セリフになくても両親の離婚原因、少年の父親への不信感が見事に表されています。吸血鬼の基本設定をちゃんと踏まえ、少女と共に闇に向かっていく少年の孤独な魂を見事に描いた秀作映画で〜す。画像は、少年役のカーレ・ヘーデブラント。