観るものがなくて

nostalji2016-03-24

先月読了した『映画の話が多くなって』で小林信彦が好評価していたので録画した『愛と誠』(2012年/監督:三池崇史)を観る。
スキーで危険な斜面に行ってしまった少女だった早乙女愛武井咲)が谷に落ちようとする時に少年だった大賀誠(妻夫木聡)に救われます。その日から愛の心に“白馬の騎士”への思慕が芽生えるのね。それから8年後、愛は額に深い傷を残した不良少年の誠と東京で再会します。誠の額の傷は愛を救った時にできたもので、少年院に送られようとしていた誠を、愛は父親に頼んで自分と同じ学校に入学させ、生活の面倒をみることによって昔の償いをしようとしますが……
清純な大富豪の一人娘と社会に反抗する不良高生の純愛という梶原一騎原作のメチャクチャ臭い物語の実写化なので三池崇史は変化球できましたね。アニメによるオープニングは、それだけでこの作品がパロディを意図していることがわかります。歌や踊りを交え、70年代昭和サブカルチャーのパロディでもありますな。全体として一本調子なのが不満ですが、笑えるところはちゃんと笑えるし、当たり外れのある三池作品の中にあってこれは当たりで〜す。