CGでない迫力

nostalji2013-08-29

注文していたハリウッド西部劇映画傑作選の『テキサス人』『西部の二国旗』『勇魂よ永遠に』『シエラ』『復讐の荒野』が届き、さっそく『テキサス人』(1938年/監督:ジェームズ・P・ホーガン)を観る。
南北戦争が終わり、南軍兵士だったカーク(ランドルフ・スコット)が故郷のテキサスに帰ってみると、北部から来た悪徳民政官のミドルブラック(ロバート・バラッド)が独裁統治をしているんですな。カークは荷物検査されようとしているアイヴィ(ジョーン・ベネット)に一目惚れしての彼女の荷馬車を救いますが、その馬車にはマキシミリアンのメキシコ政府と組んで、再び北軍と戦おうとしている恋人アラン(ロバート・カミングス)に渡す銃器が積んであったのね。アランは国境を越えてメキシコへ、アイヴィは牧童頭のチャカワラ(ウォルター・ブレナン)と祖母(メイ・ロブソン)の牧場へ。カークは同一国民がいつまでも争うのはよくないと言って、アイヴィと別れたものの、惚れた弱みで相棒のキャル(レイモンド・ハットン)とアイヴィの牧場を訪れます。
ミドルブラックは、牧場の1万頭の牛に税金をかけ、払えなければ土地を取りあげるつもりなのね。カークは鉄道が開通したカンザスのアビリーンまで牛を運んで売ることを提案しますが、アイヴィは牛が北部にものになるのに反対し、アランのいるメキシコに運ぶと言いはります。でもって、いったんメキシコへ。牛の大群が渡河するシーンは、なかなかの迫力ですよ。でもって、メキシコはマキシミリアンが失脚し、逃げてきたアランが一行に加わります。一行はアビリーンを目ざしますが、ブリザードや砂嵐といった自然の猛威、騎兵隊を引き連れたミドルブラックの追撃、インディアンの襲撃を受け……
全体的に平板な演出でキャトルドライブの厳しさが伝わらないのですが、牛の大群が走るところは壮観で、CGによる嘘っぽい最近のアクションより、ほんものの迫力が味わえます。なにしろ戦前の作品なのでスター女優は常に美しく、長旅でもほこりまみれになることはありませ〜ん。画像は、ジョーン・ベネットランドルフ・スコット