トニーとジョー

nostalji2014-02-12

録画していた『拳銃無頼帖・明日なき男』(1960年・日活/監督:野口博志)を再見。宿敵コルトのジョー(宍戸錠)が入院していると知らされた抜き射ちの竜(赤木圭一郎)が岐阜にやってきて、麻薬取引に絡んで対立するギャング組織の抗争に巻きこまれて、両組織を壊滅させる物語です。これまでの作品では過去を引きずっていた主人公でしたが、ここでは流れ者のガンマンにキャラが変わっています。拳銃を捨てても結局手にすることになるのは同じですけどね。
これまでにあった若者の恋(1作目は沢本忠雄と香月美奈子、2作目は杉山俊夫と吉永小百合、3作目は青山恭二と吉永小百合)が絡むサイドストーリーがなくなり、トニーとジョーとのライバル関係がユーモアを交えて濃密に描かれています。留置所での二人の再会なんて、バツグンの面白さです。1作目こそ東京が舞台でしたが、四日市・金沢・岐阜と地方都市に舞台を移し、観光地ロケをいれてアキラの渡り鳥シリーズに似たものになってきました。特に、この作品はその傾向が強いものになっています。二組の暴力組織が対立している地方都市で、トニーとジョーが友情と対立、でもって二人で悪党を退治して対決かと思いきや、邪魔が入って次回へ続く。これからシリーズ確立という時に、残念ながら赤木圭一郎が事故死して、これが最後になりました。