われわれにとってアメリカとは

nostalji2014-08-16

終戦記念日ということで、今週のテレビ番組はそれに関したものが多かった。戦後生まれの団塊の世代にとって戦争の悲惨さについて見聞きしても実感としては遠い世界の出来事という感じです。中国や韓国が歴史認識について煩く言ってくるのに対して、日本人の大半(特に戦後世代)は、あんなにムキになるのがわかりません。
日本人の大半が持っている先の大戦での最も一般的イメージは、「日本はアメリカに敗けた」なんですね。だけど正しくは、日本はドイツ・イタリアと同盟を結んで連合国(53国)と戦って負けたんですよ。ドイツ・イタリアの戦後処理が連合軍によって行われたのに対し、日本ではアメリカの進駐軍でした。日常生活においてはアメリカだけが対戦国であったかのように意識づけられたんですね。進駐軍が恐れたのは日本人の反米闘争で、戦争責任については曖昧にしたところがあります。「ドイツのように反省しろ」と言ったって、意識下にないんだから無理なこと。
でもって、日本人が意識したのがアメリカの物質文明ね。精神の優位性がアメリカの物質文明に敗けた現実から、日本人の国民性である外国崇拝や文化吸収の貪欲さと相俟って、アメリカの生活に憧れを持つようになりました。私たち団塊の世代が最も影響を受けたのが、テレビで観た海外ドラマでした。
画像は、『パパは何でも知っている』の一家。日本テレビ系列で1958年に放送されていました。保険会社の部長をしているパパ(ロバート・ヤング)、専業主婦のママ(ジェーン・ワイマン)、1男2女という家族構成の典型的中流家庭の日常生活をユーモラスに描いていました。本国では54年から63年まで続いた人気番組で、現在でもCATV(70年代以前のドラマを専門に放送するチャンネルあり)で繰り返し再放送されており、私もロスで観ました。
仕事が忙しくて休暇のとれないパパに家族が不満を持ち、パパは決心してキャビンの予約をとって家族と旅行に行くことにするのですが、家族は事前に相談がなかったので他のスケジュールを入れており、旅行に反対。パパは怒って部屋に閉じこもりますが、独りで勝手に決めたことを反省し、家族に謝ります。家族もパパの気持ちを汲まなかったことを反省し、皆でキャンプに行くことになり、メデタシ、メデタシ。このエピソードを観て、当時はアメリカの民主主義に憧れたでしょうね。