正月映画らしく

nostalji2016-12-22

友人に送ってもらった東映時代劇『若さま侍捕物帖』(1960年/監督:佐々木康)を観る。
若さまがお澄(花園ひろみ)の矢場で遊んで、お糸(桜町弘子)がヤキモキしている頃、御用商酒問屋伊勢屋の清酒で毒見役が死に、酒蔵見廻り役も殺されるという事件がおきます。伊勢屋の家族は遠島、店は取り潰しと決定。伊勢屋の娘・おちか(三田佳子)を励ます若様を雁金屋(三島雅夫)配下の松造(吉田義夫)たちが襲います。雁金屋はお納戸役の鈴木采女山形勲)に賂を送って御用商になろうとしていたのね。采女は、老中・堀田加賀守(坂東好太郎や御後室・英明院(花柳小菊)の権威を利用して私腹を肥やすだけでなく、おちかを自分のものにしようとしています。伊勢屋の取り潰しも采女が仕組んだことなのですが、与力の佐々島俊蔵(千秋実)や岡っ引の遠州屋小吉(本郷秀雄)では手が出せません。そこで若さまが乗りだし、身の危険を感じた采女は家臣の山田(加賀邦男)に命じて、悪名高い地獄道場の熊谷(戸上城太郎)たち剣客を雇い、若さまを襲撃。おちかの活躍で采女の悪事の証拠をつかんだ若さまは、英明院の宴に月美香(藤田佳子)の琉球一座と一緒に乗り込み……
お馴染みの悪役たちに、華やかな女優陣。美女に囲まれて、襲ってくる悪党たちは難なく撃退。ラストは黒幕退治の大立ち回りと、大川橋蔵のワンマン映画です。デビュー当時はフニャフニャした殺陣で今イチでしたが、この作品の頃には腰が決まり、華麗な剣さばきをみせてくれます。橋蔵の殺陣は舞踊のようでチャンバリストには評判が悪いですが、身のこなしの優雅さは橋蔵独自のもので、再評価されてよいと思いま〜す。